テスト版
「日本人の1時間」は、世界でどこまで通用するか
旅先のランチは、どう変わったか。
最近、こんな話をよく聞く。
ニューヨークでラーメンを食べたら、4,000円を超えた。
🗽 ニューヨークのラーメン、2024年
¥4,500
税・チップ込みで約$30。円換算で1杯4,500円前後。
日本の最低時給は¥1,055(約$6.94)。
ニューヨークのこのラーメン1杯には、約4時間働く必要がある。
では、日本の1時間は、昔からこんなに軽かったのか。
30年前と比べてみる。
ニューヨークだけが、特別なのか。
アルバイトで貯めたお金で海外旅行。ランチは「バイト1時間分」——そんな時代があった。
あの頃と今。パリと香港では、同じ1時間で何が食べられるか。
1996年
¥620 → $5.74
全部食べてお釣り ✔
2024年
¥1,055 → $6.94
ホットドッグ1本で終わり
1996年
¥620 → FF29
軽いランチなら十分 ✔
2024年
¥1,055 → €6.47
コーヒー1杯、それだけ
1996年
¥620 → HK$44
点心+麺+スイーツ ✔
2024年
¥1,055 → HK$54
麺1杯で、もうギリギリ
+ 他の5都市も見る ハワイ・ジュネーブ・ローマ・バンコク・ナイロビ
1996年
¥620 → $5.74
プレートランチが食べられた ✔
2024年
¥1,055 → $6.94
スパムむすび1個が精一杯
1996年
¥620 → CHF7.1
サンド+コーヒー ✔
2024年
¥1,055 → CHF6.2
コーヒー1杯で財布が空
1996年
¥620 → 9,500リラ
ピザ3切れ+飲み物 ✔
2024年
¥1,055 → €6.47
ピザ1切れか、ジェラートか
1996年
¥620 → THB143
ほぼ豪遊 ✔
2024年
¥1,055 → THB243
パッタイ1皿でギリギリ
1996年
¥620 → KES328
ローカル食ならかなり満足 ✔
2024年
¥1,055 → KES900
ローカル食堂ならまだ食べられる
アメリカでも、ヨーロッパでも、アジアでも、同じ構造だ。
このページの食事例でざっくり見ると——
3分の1
1996年に日本の1時間で買えた量を「1」とすると、
2024年の今、同じ1時間で買えるのはその3分の1。
都市によって2分の1から4分の1まで幅がある。
円建ての給与明細は、少し増えた。
しかし海外に持ち出したときの、日本の「1時間」は——
30年前より、ずっと軽くなっている。
裏を返せば、日本は外国人にとって「安い国」になった。
ニューヨーカーと日本人、それぞれの1時間の30年を並べてみる。
この30年で、何が起きていたのか。理由は3つ重なっている。
三つの力が重なった
1
円安による為替の目減り
1996年は1ドル=108円。今は152円。同じ¥1,055でも、ドルでは大きく目減りした。
2
賃金がほぼ上がらなかった30年
円建ての最低時給は¥620→¥1,055と増えたように見える。だが実質的にはほぼ横ばい。他国は大幅に引き上げた。
3
世界の物価が上がり続けた
NYのランチは30年で3倍近くになった。日本が止まっている間に、世界は動いた。
円建ての給与明細は、少し増えた。
でも世界に持ち出したとき、日本の1時間は——
3分の1の軽さになっている。
ここまで見てきたのは、1時間で何が買えるかという「消費の余裕」だった。
なぜこんなに余裕のない国民になってしまったのか。